MacBook Air A1932 水没で電源が入らない修理

MacBook Airをお使いの方で、水没させてしまい電源が入らなくなったという状況で修理のご相談をいただきました。
メーカーの見積もりは非常に高額で、修理か買い替えか大いに迷われる方も多いと思いますが、当店ではなるべく費用を抑えて修理することが可能です。

今回は、実際に行った軽度の水没修理の事例を詳細にご紹介しますので、同じお悩みをお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。

MacBook Air 水没修理の実例

【故障のお問い合わせ内容】
水をこぼしてしまい、電源が全く入らなくなりました。
Appleケアサポートに依頼すると保証対象外扱いで、約9万円以上の見積もりが出てしまいました。
会社支給のパソコンのため、自腹で出すのは難しく、もう少し安くできる修理先を探しています。

Appleに依頼した場合、水没判定されると大きなパーツをまとめて交換(ロジックボードやキーボード含むトップケース)されるため、非常に高額になります。
しかし、今回の水没事例をみると、部分的な洗浄作業のみで復旧できるケースも少なくありません。

そこで、当店では実際に分解調査を行い、必要最低限のパーツ交換やメンテナンスで修理費を抑える方針を取っています。

 

MacBook Air 水没

水没したMacBook Airの内部。ロジックボードを取り外したら、液体が入った形跡や腐食が確認されました。

当店に到着後すぐに裏蓋を開き確認したところ、ロジックボード周辺にわずかな水滴や変色が見られました。
ケースによっては相当量の液体が入り、電源系統まで広範囲にダメージが及ぶ場合もありますが、今回は比較的軽度の腐食で済んでいたようです。
液体が何だったのか(純水・コーヒー・ジュースなど)によって腐食やベタつきの度合いが大きく変わるため、対応も異なります。

 

洗浄後のメインボード。腐食部分を取り除き、丁寧にクリーニングすることで通電が回復し電源が入るようになりました。

結果:洗浄のみで起動が復活

ロジックボード含むパーツを一通り取り外し、状態を詳しく確認した上で腐食・汚れを落とす洗浄を実施したところ、幸い大きな損傷は見当たりませんでした。
つまり、ロジックボードやSSDへの交換を行わずとも洗浄作業だけで通電が回復し、電源が入らない症状が改善しました。
メーカー見積もりのように10万円弱かかるケースとは大違いです。

 

水没時に絶対にやってはいけないこと・やるべき対応

ノートパソコンが水没すると、焦ってドライヤーなどで無理に乾かそうとする方が多いですが、これは逆効果になることもあります。
特にキーボード周りは基板やケーブルが非常に密集しており、高温であおると内部パーツを損傷してしまうリスクがあるのです。
さらに糖分や不純物が含まれた飲み物の場合、乾燥後もベタつきが発生し腐食やショートを誘発します。

適切な手順としては:

  1. すぐに電源を落とす(シャットダウンできなければ長押しでもOK)。
  2. 表面の水分を拭き取る。キーボードやヒンジ部分に液体が残りやすいので要注意。
  3. 可能であればティッシュをキーボードと液晶の間に挟み、逆さまの状態で安置し液体が液晶側に回らないようにする。
  4. 時間をおかずに専門店へ相談。腐食は一刻も早い対処が重要。

時間が経つほど中の腐食が進み、洗浄では済まなくなり大きなパーツ交換が必要となるため、費用が跳ね上がることが多いです。

 

水没とデータの関係

2017年以前のMacBook AirではSSDがロジックボードとは独立して取り外し可能ですが、2018年以降のMacBook Air(A1932など)はロジックボードにSSDが直付けされており、電源が入らなくなるとデータ取り出しが極めて困難になります。
今回のように最小限の損傷で済んでいればいいのですが、酷い水没でロジックボードが完全にショートしてしまった場合はデータ復旧がほぼ不可能となるケースもあります。

そのため、定期的なバックアップは本当に大切です。macOS標準の「Time Machine」やクラウドサービスなどを使い、万一のトラブルにも備えておきましょう。

 

今回の修理費用と日数について

  • 修理費用:洗浄作業のみで済んだため、総額で2万円以下。
  • 修理期間:当店の到着後、約2日ほどかけて様子見を含む動作チェックを実施し完了。
  • 交換パーツ:今回は行わず、全て元の部品を再利用。

Appleケアサポートでの見積もりが約9万円ほどでしたが、当店では初期洗浄と腐食対応だけで起動が復活しました。もちろん、状況や液体の種類によっては部品交換が避けられないこともありますが、それでもメーカー見積もりより安価に抑えられるケースが多いです。

 

まとめ

MacBook Airの水没修理は、メーカーに依頼すると高額になりがちですが、実際には基板洗浄やパーツ調整のみで十分復旧できるケースも多々あります。
当店では可能な限り部品交換を最小限に抑え、データを消さずに修理を行う方針です。まずはお気軽にご相談ください。

 

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