MacBook Air 2018 (A1932) のキーボードが反応しない?トラックパッドケーブル交換で解決

MacBook Air 2018 (A1932) のキーボードが反応しない?トラックパッドケーブル交換で解決できるケースとは?

MacBookシリーズは洗練されたデザインと優れたパフォーマンスで、多くのユーザーから支持を集めています。
しかし、高性能かつ薄型であるがゆえに、内部構造が非常に密集しており、一部のパーツに不具合が発生すると想像以上に広範囲に影響を及ぼすことがあります。

今回ご紹介するのは、「MacBook Air 2018 13インチ A1932」でキーボード全体がまったく反応しなくなったというトラブルです。
依頼元は埼玉県のユーザー様からで、当初は「キーボードそのものが故障しているのでは?」と考えられていましたが、実際に調査を行うと原因は別の部品にあることが判明しました。
今回は、修理の写真とあわせて、トラブルの原因や対処法を詳しく解説いたします。

 

キーボード全体が無反応になる原因はキートップだけじゃない?

MacBook Air(2018年モデル)をはじめとする近年のApple製ノートパソコンは、軽量化と内部構造の効率化が進んでいます。
特に「Butterflyキーボード」や「Magic Keyboard」など、薄型メカニズムが採用されるにつれて、物理的なキーの故障を疑う場面が増えているのも事実です。
しかし、今回のケースでは「キーボード全体が反応しない」という症状に対して実際に分解調査を行ったところ、キーボード自体のスイッチ部分に大きな損傷はなく、むしろトラックパッドケーブルに不具合が確認されました。

MacBookの構造では、キーボードからの信号がトラックパッドを経由してロジックボードへ送られる仕組みになっているモデルがあります。
つまり、トラックパッドやケーブル部分で断線・接触不良などが起きると、キーボードの入力が丸ごと無効化されてしまう場合があるのです。
「キーが押せなくなったらキーボードを交換すればいい」という単純な判断では対処できないケースも少なくありません。

修理前の状態:一切キーが反応しない

修理対象のApple MacBook Air 2018 (A1932)です。
外観上の目立った損傷はなく、起動自体は問題なく行えます。
しかし、ログイン画面でパスワードを入力しようとしても、どのキーを押しても文字が入力されない状態が確認できました。
一方で、USBポートや充電、画面表示などは問題なく機能しており、キーボード部分だけが機能停止しているような症状です。

こうした場合、キーボードの物理的な故障を疑うのは当然ですが、実際には接続経路となるトラックパッドケーブルの不良が原因となることが多々あります。
いずれにしても、本体を開いて内部パーツをチェックしなければ正確な判断は難しいです。

トラックパッドケーブル交換のみで修理が完了

分解して確認を行ったところ、トラックパッドとロジックボードをつなぐケーブルの一部に損傷が認められました。
このケーブルは、トラックパッドだけでなくキーボードの信号伝達も担っている可能性があるため、ここで断線や接触不良が生じると、キーボードが反応しない状況に陥ります。
今回の修理では、キーボード全体を取り外す必要はなくトラックパッドケーブルの交換だけで症状が改善しました。
修理後はログイン画面での文字入力もスムーズに行え、アプリケーション操作やショートカットキーの入力など、すべてのキー操作が正常に戻っています。

修理後の状態:再び快適な操作が可能に

下の写真が作業後の様子です。
キーボード全体のタイピングテストを行い、ローマ字入力・かな入力ともに反応に問題ないことを確認。
また、トラックパッドのクリックやカーソル操作も正常に機能しています。

MacBook Air トラックパッドケーブル交換

購入当初のような軽快さを取り戻し、ユーザーの方も「キーボード自体を交換しなくて済んでよかった」と安心されていました。

 

キーボードが反応しないときのチェックポイント

  • ソフトウェア面の問題
    macOSのバージョンやキーボード設定が原因で入力できない場合もごく稀にあります。
    外付けキーボードを接続したら入力できるのか、またはセーフモードで起動して動作確認するなど、ソフト面を切り分けるのが有効です。
  • リセット系の対処
    SMC(システム管理コントローラ)やNVRAMをリセットして症状が改善するかどうか試すことも一つの方法です。
    ただし、物理的な断線が原因の場合は改善しません。
  • 内部パーツの接触不良
    今回のように、トラックパッドケーブルやキーボードケーブルが抜けかかっている、あるいは破損している場合は部品交換が必要です。
  • 液体こぼれの影響
    キーボード部分に飲み物などをこぼすと、基板やコネクタがショートしてしまう可能性があります。
    その場合は基板修理やさらなる部品交換が必要になるかもしれません。

 

まとめ:MacBook Air A1932のキーボード不具合はケーブル交換で直ることも

今回の修理事例では、埼玉県のユーザー様からお預かりした「MacBook Air 2018 (A1932)」のキーボードがまったく反応しない症状を調査した結果、トラックパッドケーブルの交換のみで無事解決できました。
キーボード全体を交換するとなると、パーツ代や作業工賃が高額になるケースが多いですが、原因が別パーツにあった場合は最低限の交換で修理が完了することも十分あり得ます。

もし、キーボードが反応しなくなったからといって即座にキーボードユニットの故障と断定するのではなく、信頼できる修理店や専門家に一度相談することをおすすめします。
MacBookは精密機器ですので、自己判断で分解すると取り返しのつかない損傷を与えるリスクもあります。
今回のように適切な診断を行えば、思わぬ出費を抑えられる可能性もあります。

当店では、MacBookを含むApple製品全般の修理実績が豊富で、内部パーツの診断・交換もスピーディーに対応しています。
キーボードが全く効かなくなった、あるいは一部キーだけおかしいなど、原因不明の不具合でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。