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MacBookの画面が映らない原因と対処法を徹底解説!修理費用や専門業者への依頼ポイントも紹介
MacBookはiPhoneユーザーの増加に伴い、年々その所持率が高まっています。
かつてはWindowsユーザーが圧倒的に多かった日本でも、ここ数年でMacをメインマシンとして使う方が大幅に増えました。
実際、当社に寄せられるパソコン修理のご依頼も、以前はWindows:Macが9:1ほどの比率でしたが、2024年現在ではおよそ6:4まで接近しています。
ところが、MacBookを愛用している方の中には、「突然画面が映らなくなった!」というトラブルで困っている方も少なくありません。
Mac特有のトラブルをどこに修理依頼すればいいのか、自己対処法はあるのかなど、さまざまな疑問が湧いてくることでしょう。
本記事では、「MacBookの画面が映らない症状」について、考えられる原因や症状別の対処法、修理費用の目安、Apple Storeと民間修理業者の選び方などを詳しく解説していきます。
もしMacBookが突然映らなくなった場合は、ぜひ最後までご覧ください。
1. MacBookの画面が映らない原因とは?
まず「MacBookの画面がまったく映らなくなる」原因には、大きく分けて以下のようなパターンがあります。
- 電源・充電まわりの問題(電力供給やバッテリー、アダプター、帯電など)
- ディスプレイ(液晶パネル)自体の故障(衝撃や劣化による物理破損など)
- ロジックボードやケーブルの不具合(映像出力回路の損傷、コネクタの緩みなど)
- ソフトウェア・システム上のトラブル(まれにOSやPRAMの不具合の場合も)
「画面が映らない=ディスプレイが完全に壊れた」と思いがちですが、電源まわりのトラブルで起動していないだけというケースも意外とあります。
MacBookは本体内部に多くの電子パーツが詰まっており、そこで帯電や接続不良が起こると、あたかもディスプレイが映らないように見える場合があるのです。
ここでは、それぞれの原因をもう少し詳しく見ていきましょう。
1-1. 充電・電源まわりが原因
MacBookの画面が映らない時、まず疑うべきなのは電源が正しく供給されているかどうかです。
充電アダプターが故障している、バッテリーが完全に放電しきっている、あるいはMacBook内部に静電気が帯電しているなどの理由で、電源が入らない状況だと画面も点きません。
たとえば以下のような症状が見られる場合は、電源まわりを疑ってみましょう。
- 電源ボタンを押しても反応なし(ファンの音やキーボードバックライトなども点灯しない)
- 充電器を変えると一時的に反応がある
- バッテリーアイコンや充電ランプがまったく点灯しない
対処法としては、アダプターを買い替える、バッテリーを交換する、あるいは放電(帯電解消)を試してみることが挙げられます。
MacBookのアダプターは純正品と互換品がありますが、互換品の品質はまちまちなので注意が必要です。
まずは手元にあるほかのMac用アダプターや、知人からアダプターを借りるなどして確認してみるとよいでしょう。
1-2. ディスプレイ(液晶)の故障
画面が映らないトラブルで最も多いのが、ディスプレイ(液晶パネル)自体の故障です。
MacBookに何か物を挟んでしまった、ぶつけて亀裂が入った、落下させたなど、物理的な衝撃が原因で液晶割れが発生すると、画面にヒビや黒いシミが広がり、最悪まったく表示されなくなることがあります。
また、経年劣化でバックライトや液晶内部が故障し、「うっすらとしか映らない」「真っ暗なまま動かない」といった症状になるケースも少なくありません。
液晶破損は、MacBookの修理項目の中でも最も高額になる場合が多いです。
特にRetinaディスプレイを搭載しているモデル(2012年以降のMacBook Pro、2018年以降のMacBook Airなど)は液晶の交換コストが非常に高くなる傾向があります。
1-3. ロジックボードや映像出力系統の不具合
MacBookのメイン基盤であるロジックボード(Windowsでいうマザーボード)が故障していると、画面表示が一切出力されなくなる場合があります。
また、ディスプレイと基盤をつなぐケーブルが断線・接触不良を起こしている可能性も考えられます。
ケーブルが不安定な場合、「画面を開閉する角度によって映る/映らないが変わる」といった症状が代表的です。
ロジックボード修理や交換は非常に専門的な作業になり、修理費も高額になることが多いです。
ただし、液晶パネルを交換しても直らない場合にロジックボードが原因というパターンもあるため、分解や基板レベルの検査を経て故障部位を切り分ける必要があります。
1-4. ソフトウェアやOSの問題
MacBookの画面が映らない原因としては、ソフトウェア的な不具合の割合はあまり高くありません。
しかし、まれにmacOSが起動途中でフリーズして真っ暗になったり、PRAM/NVRAMやSMCの設定に異常があって画面表示が出ないと感じるケースもあります。
もしハードウェア的に故障していないのであれば、「PRAMリセット」「セーフブート」などを試すと改善する場合があり得ます。
ただし、実体験としては、ソフトウェアが原因でまったく映らない状態はそこまで多くありません。
大半は上記のようなハードウェアトラブルが原因になっています。
2. 画面が映らないときに見られる代表的な症状
「画面が映らない」と一口に言っても、症状にはさまざまなパターンがあります。
ここでは代表的な症状を整理し、それぞれの原因を考えてみましょう。
2-1. 液晶割れ
MacBookに衝撃が加わったときに最も多いのが液晶割れです。ぶつけた直後にヒビが入ったり、線が入ったりして、徐々に画面が真っ暗になる場合もあれば、いきなり表示不能になるケースもあります。
ガラス面に亀裂が入っているなら、かなり高い確率で液晶交換が必要になります。
2-2. うっすら映る
Macの電源は確かに入っているようだが、画面が薄暗くて見えにくい、斜めから光を当てるとなんとか表示が確認できる、といった症状です。
バックライトの故障や内部回路の不具合によって、輝度が極端に下がっている場合が考えられます。
衝撃が加わった後にこうなることもありますが、劣化による自然故障というパターンも少なくありません。
2-3. 真っ暗(完全に映らない)
まったく表示がなく、電源ランプやキーボードバックライトなども点かない状態なら、電源まわりの不具合やロジックボードの故障を強く疑うべきです。
もしキーボードバックライトなどは点いているのに画面だけ真っ暗な場合は、ディスプレイ自体に深刻な故障があるか、映像出力ケーブルが外れている、または断線している可能性も考えられます。
3. MacBookの画面が映らないときに自分で試せる対処法
ここからは、専門業者に依頼する前に、自分でできる対処法をいくつか紹介します。
ただし、無理な分解や改造は推奨しません。MacはWindowsノートとは構造が異なるため、分解を誤るとさらに大きなトラブルを招く可能性があります。慎重に進めましょう。
3-1. PRAM/NVRAMリセット
macOSが起動可能な状態(完全にハード故障ではない可能性がある)なら、PRAMやNVRAMのリセットを試すのが一般的なトラブルシュート手段です。
やり方は以下のとおりです。
- Macの電源を一度切る(システム終了した状態にする)。
- 「command」「option」「P」「R」キーを同時に押しながら電源ボタンを入れる。
- 起動音(ジャーン)が鳴ってからもキーを押し続け、もう1回以上起動音が鳴るまで待つ。
- 2回目以降の起動音が鳴ったらキーを離す。
これによってMacの一部設定がリセットされ、ディスプレイの解像度設定や起動時の表示まわりが初期化されます。
ディスプレイ関連の不具合がソフト的に解消される場合があるため、画面が真っ暗でもわずかな希望として試してみる価値はあります。
3-2. 放電(帯電解消)を試す
MacBook内の静電気が原因で電源がうまく入らない場合、放電によって改善する可能性があります。
具体的には、以下の手順をとってください。
- MacBookからすべてのケーブル(電源アダプター含む)を外す。
- 電源ボタンを10秒程度長押しする(できれば押しっぱなしにする)。
- その後、何も接続しないまま数時間〜1日程度放置する。
- 再びアダプターを繋いで電源を入れてみる。
短時間では静電気が完全に抜けきらないことがあるため、時間をかけて放電を行うのがポイントです。
3-3. 外部ディスプレイへの接続
故障の切り分けにおいて最も重要かつ手軽なのが、外部ディスプレイに接続する方法です。MacBookはUSB-C(Thunderbolt 3/4)やHDMI、Mini DisplayPortなどモデルによって端子が異なりますが、対応するケーブルまたは変換アダプターを使って外部モニターやテレビに映像を出力してみましょう。
外部モニターに正常に映る場合は、ロジックボードやOSは概ね正常で、ディスプレイ部分の故障が濃厚です。
もし外部ディスプレイにも映らないなら、電源まわりかロジックボード側の不具合を疑うべきでしょう。
4. MacBookの画面が映らない場合の修理費用・相場
MacBookを修理する際には、まず型番(本体底面に小さく刻印されている「Model: A****」)を特定する必要があります。
A1932、A2179、A2337、A3113などのMacBook Air、A1708、A1989、A2141、A2338などのMacBook Proというように、モデルごとに使用するディスプレイやロジックボードが異なり、修理費も変わります。
4-1. ディスプレイ故障が原因
液晶パネルの破損や不具合によって画面が映らない場合、液晶交換もしくは上半身(トップケース)ごとのユニット交換が必要になります。
モデルやサイズ、Retinaかどうかで金額差は大きいですが、概ね2万円台〜6万円程度が当社の修理例で最も多い価格帯です。
ただし、Apple公式に依頼すると7〜10万円以上かかるケースもめずらしくありません。
4-2. ロジックボード故障が原因
ロジックボード(マザーボード)関連の修理は、部品代が高額かつ交換作業も高度になるため、2万円台から最大10万円前後まで幅広くなります。
ストレージやCPUがオンボードになっているモデルでは修理コストがさらに高騰する可能性があります。
4-3. アダプターやバッテリー故障が原因
もし充電アダプターの故障やバッテリー不具合が原因なら、交換費用は比較的抑えられます。
アダプターのみの問題なら数千円〜1万円程度で済むことも。
バッテリー交換は機種によりますが、通常は2万円前後を見込んでおくと良いでしょう。
5. 修理を依頼するならApple Storeか民間修理業者か?
MacBookが映らなくなったら、Apple Store(正規)か民間修理店(サードパーティ)に修理を依頼するのが一般的です。
それぞれメリット・デメリットがあります。
- Apple Store(純正修理)
- 純正パーツを使用し、作業品質が安定している
- メーカー保証やAppleCare+がある場合、無償〜低額で修理できる可能性あり
- 基本的にデータ初期化が前提のため、バックアップ必須
- 修理料金が高額になりがち(液晶交換は7〜10万円台も珍しくない)
- 修理完了までに数日〜数週間かかることも
- 民間修理店(サードパーティ修理)
- 必要な部品だけ交換するなど柔軟な対応で費用を抑えられることが多い
- データをそのまま残して修理してくれるケースが多い
- 在庫状況によっては即日〜数日で完了することも
- 修理業者によって技術力や保証内容が大きく異なる
- メーカー保証が切れたり、AppleCare+がない方にはメリット大
2024年現在、Appleシリコン(M1 / M2シリーズ)搭載モデルの修理が増えていますが、正規店以外でも対応可能な業者は徐々に増えてきました。
修理費用をできるだけ抑えたい方やデータを消さずに修理したい方は、民間修理店での見積もりを検討してみるのも選択肢のひとつです。
6. まとめ:MacBookの画面が映らないときは早めの切り分け&専門家への相談を
MacBookの画面が突然映らなくなった場合、電源やアダプター周り、液晶パネル(ディスプレイ)、ロジックボードなど、さまざまな原因が考えられます。
個人レベルで対処可能な範囲としては、PRAMリセットや放電、外部ディスプレイ接続などが挙げられますが、それらを試しても改善しない場合は、早めに専門業者へ相談してみてください。
修理費は故障部位やモデルによって大きく異なり、液晶交換だけでも2〜6万円、ロジックボード交換なら数万円〜10万円近くかかる可能性があります。
メーカーであるApple Storeに依頼すれば純正部品を使った安心感がありますが、費用や納期、データ初期化などのデメリットも。
ただしAppleCare+の保証が残っている場合は、正式サポートを受けるメリットが大きいと言えます。
一方、民間の修理店を利用すれば、必要パーツのみ交換して費用を抑えたり、データを消さずに修理したりできる可能性が高いです。
Windowsと比較してMacは独自設計が多く、分解難易度が高い機種もありますので、実績や口コミ、保証内容をよく確認したうえで依頼することが重要です。
いずれにせよ、MacBookの画面が映らなくなった場合は、迅速に状況を切り分けて適切な修理手段を選ぶのが失敗しないポイント。
大切なデータが入っている場合は特に、早めにバックアップを確保しつつ、修理店やAppleサポートへ相談してみましょう。
▼ MacBookの買取や修理相談も承っています。お気軽にご連絡ください。