NEC PC-A2377BAWの修理 キーボード上に本体を倒して液晶にヒビ割れ【修理事例】

NEC PC-A2377BAWの修理 キーボード上に本体を倒して液晶にヒビ割れ【修理事例】

一体型パソコンは携帯性と省スペース性で多くのユーザーに愛用されていますが、ディスプレイ部分の破損は頻発するトラブルの一つ。

今回は、千葉県からご依頼を受けたNECの「PC-A2377BAW」に起きた液晶割れの修理事例をご紹介します。
お問い合わせ内容は「キーボードの上にパソコンを倒してしまい、液晶画面にヒビが入った」というもの。
具体的には、画面を開いた状態で誤って本体を閉じるように倒したため、ディスプレイとキーボード部分の間に衝撃が加わり、液晶が割れてしまったようです。

このような物理的ダメージによって液晶パネルが破損した場合、ドライバ更新ソフトウェア的な修復では解決しません。
表示上に黒いシミ(液晶漏れ)やカラフルなライン、白い斑点などが発生し、操作や閲覧が大幅に制限されてしまうため、液晶パネルの交換が必須となります。
本記事では、NEC PC-A2377BAWの具体的な修理手順や費用の目安、画面割れを防ぐポイントなどを詳しく解説していきます。


1. 依頼内容:キーボード上に倒してしまい液晶が破損

お客様からのご相談によれば、「うっかり衝撃を加えてしまい、キーボードの上に勢いよく倒れてしまった」という状況。
通常、一体型デスクトップPCは背面の衝立などがヒンジの支点となりますが、誤って強い力で閉じる形になった場合、パネルとキーボードの間に挟まれるかたちでディスプレイが破損するケースがあります。

こうした「自分の不注意で液晶を割ってしまった」という事例は少なくありません。
落下や衝突、もしくはカバンの中で押しつぶされるなど、物理的なダメージが主な原因となります。
いずれにしても、ディスプレイが割れた場合はソフトウェア的な対処では直せず、液晶パネル交換が唯一の解決策です。


2. 修理前の状態:画面上部が大きく破損し、表示が歪んでいる

下の写真が修理前のPC-A2377BAWの状態です。

PC-A2377BAW 修理

画面の上部および中央に亀裂が走っており、黒い箇所やカラフルなラインが映り込んでいます。
一部はまだ映像が確認できるものの、破損部分が広範囲に及んでいるため、操作や閲覧が非常に困難な状態でした。


3. パソコン液晶割れの修理方法:液晶パネル交換

パソコンの液晶破損は、液晶パネル自体を交換することが原則的な対処法になります。
修理作業の流れは一般的には以下のように進みます。

  1. 電源オフ
    感電や内部ショートを防ぐため、パソコンを完全にシャットダウンし、ACアダプタを抜いて安全を確保します。
  2. ディスプレイベゼル(フレーム)の取り外し
    画面周囲のプラスチックフレームを、専用工具などで爪を外しながら慎重に取り外します。
  3. 液晶パネルの固定ネジを外す
    パネルを支えているネジを外し、少し前に倒す形で裏側のケーブル(フレキシブルケーブル)を確認します。
  4. コネクタの取り外し
    液晶とマザーボードをつなぐケーブルを外し、破損したパネルを除去。
  5. 交換パネルの装着・動作チェック
    同じ解像度やサイズ、コネクタ形状のパネルを取り付け、コネクタを接続。
    電源を入れて表示が正常か確認します。
  6. ベゼルを元に戻す
    問題がなければベゼルをはめ直し、修理完了となります。

この過程で、配線の扱いベゼルの爪の取り扱いなど、細心の注意を要する部分がいくつも存在します。
DIYでの修理を試みる方もいますが、パネルの型番・形状選定や静電気対策、分解の難易度を考慮すると、専門家に依頼するのが安全と言えます。


4. 修理後の状態:全体が映るようになりました。

下記は修理後の写真です。
撮影時の光の映り込みがありますが、実際は問題ございません。

液晶交換を行うことで、破損していた画面上部や黒い部分、カラフルな線が消え、フルスクリーンで美しい映像が復活
内部のSSD/HDDやメモリ、OS、ソフトウェアなどは一切触らずに済むため、データや設定を引き継いだまま使えるメリットがあります。


5. パソコンの画面割れを防ぐポイント

今回のように「倒してしまい画面がキーボードと衝突」した事例は、意外によくあるトラブルです。
一体型パソコンのディスプレイは薄くて繊細なガラス層を含むため、不意な衝撃には脆い面があります。
以下の対策を日頃から意識すると、液晶破損リスクを下げられます。

  • 開閉は両手で行う:
    片手で角を掴んで開閉すると、ヒンジやパネルに偏った力がかかりやすい。
  • 安定した場所で使う:
    膝の上や狭い机の端など不安定な場所では、倒れるリスクが高まります。
  • 余計な小物をキーボード上に置かない:
    ペンやUSBメモリを置きっぱなしにしてフタを閉じると、ディスプレイに深刻なダメージを与えやすい。
  • 衝撃吸収ケースの活用:
    持ち運びの際は、バッグに直接入れるよりクッション付きケースを使うほうが安全です。

6. 修理費用や納期の目安

パソコンの液晶修理の費用は、パネルサイズ・解像度・タッチ機能の有無などによって変動します。
NEC PC-A2377BAWのような23.8インチクラスの場合、部品代+作業費で3万円-5万円程度が相場ですが、在庫状況やモデルごとの仕様差によって上下する可能性があります。
修理期間は、在庫がある場合は即日~数日、取り寄せ時は1週間以上かかることも。お急ぎの場合は予約や特急対応を相談すると良いでしょう。


7. まとめ:NEC PC-A2377BAW の液晶割れもパネル交換で快適に再利用

今回の「キーボードの上に倒してしまい液晶が割れた」というトラブルは、一体型パソコンユーザーにとって他人事ではありません。
しかし、液晶パネル交換であれば、内部のデータやOS設定をそのまま残した状態で修復できるメリットがあります。
結果的に、NEC PC-A2377BAW も新品同様のクリアな画面を取り戻し、再び業務やプライベートの作業にフル活用可能になりました。

PCの画面割れは物理的ダメージのため、ソフトウェア面の対処では改善しません。
外部モニターを使って一時しのぎも可能ですが、携帯性や利便性が損なわれるほか、亀裂がさらに拡大するリスクもあるため早めの修理が望ましいです。
当店ではNECをはじめとした各メーカーのパソコン液晶修理を受け付けており、宅配修理も対応しております。
液晶割れにお困りの場合は、買い替えを検討する前に一度ご相談いただくことで、より安価かつデータ保持のまま解決できる可能性が高まります。