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パソコンの画面にノイズが入る?色がおかしい?──原因・対処法・修理費のポイントを徹底解説
パソコンを長年使い続けていると、画面にチラつきやノイズが走ってしまうことがあり、「何もしていないのにモニターが乱れる」「表示がブロック状に崩れたり、線が出たりして作業に支障が出る」といった不具合を経験する方も多いでしょう。
こうした画面の乱れには、液晶パネルや内部ケーブルの物理的な故障が関係している場合がほとんどです。
本記事では、実際の修理事例を通じて、画面にノイズが入る原因や自力でできるチェック方法、そして修理費の相場などを詳しく解説していきます。
「画面にノイズが入る」ノートPC修理実績
【故障のお問い合わせ内容】
数か月前から液晶画面の中心あたりに幅4〜5cmの横帯が出現し、縦方向にノイズが入っている。
今のところ、OSの動作は問題ないが、ディスプレイのノイズが徐々に悪化しているようで心配。
上記症状から想定されるのは、ディスプレイを強くぶつけたり落下させた覚えがなく、自然発生的に画面に「ザラザラしたブロックノイズ」や「帯」が生じるパターンです。
こうしたケースでは液晶パネルの内部劣化が原因になっている例が多く、稀に液晶ケーブルやマザーボード周りの故障もありえます。
上の写真では、ディスプレイの中央部分にノイズらしき横帯が発生しているのがわかります。長時間放置しておくと段々広がるように見える場合もあれば、一定の範囲で止まることもあります。
今回の場合も、OS自体(Windows)は問題なく起動しており、ユーザーさんが外部ディスプレイを接続するとそちらで正常表示できたことから、グラフィックカードやマザーボードには異常がないと判断。
結果的に「液晶パネルの損傷か内部基板故障」がほぼ確定したため、パネル交換を行うことにしました。
交換作業後の写真がこちらです。ノイズが消えて安定した表示に戻っています。
画面の角度を変えても乱れが生じないことを長時間テストし、問題ないのを確認しました。
もちろんストレージやOSには一切触れていないので、データが初期化されることもなく、返却後はすぐに普段どおり使える状態です。
画面にノイズが出たら自分で確認すべきポイント
「画面が乱れているのは液晶そのものなのか、あるいはパソコン本体側(グラフィック回路)が悪いのか」──ここを見極めるのに有効なのが、外部モニターへの出力です。
最近のノートPCにはHDMIやDisplayPortなど外部出力端子が1つ以上あることが多いので、HDMIケーブルなどを使いテレビや外部モニターにつないでみましょう。
- 外部モニター側ではノイズが一切出ない:液晶パネルまたは液晶ケーブルの故障が濃厚
- 外部モニターにも同じノイズが出る:マザーボード(グラフィックカード)故障の可能性が高い
液晶パネル交換だけで解決するなら比較的安く、かつデータをそのまま残して修理できます。一方、マザーボードやグラフィックカードが故障していた場合は交換部品が高額になったり、「修理不可能で買い替えしかない」ケースに至ることも。
また、ノートPCの場合はグラフィック回路がマザーボードに直付けになっているため、補修レベルで対処できるかどうか専門の調査が必須です。
修理費用の目安:液晶ノイズでパネル交換する場合は2〜3万円が多い
当店の例ではWindowsノートPCの多くが、14〜15.6インチ程度の液晶サイズで2〜3万円台の修理代が最も多い価格帯です。
もちろん、液晶の解像度が高かったり(FHD・4Kなど)、タッチパネル機能が付いていたりすると追加費用がかかる場合があります。
また、MacBookなどApple製品は部品代がもともと高めなので4〜6万円以上かかる例も。ただ、液晶修理だけならデータ初期化不要で済むのが大きなメリットです。
2022/2/12追記:黒いシミ・ドット抜け風のノイズが出るケース
【故障のご相談内容】
「画面全体が線だらけというほどではないが、部分的に黒い線やシミのようなノイズが出てくる。ドット抜けに近いかもしれない。」
上の写真はCF-SX3(Panasonic Let‘s note)で、ログイン画面に細かい黒い帯やシミが映り、まばらにノイズが散らばっていました。
外部モニターへの出力は正常だったため、液晶パネルの劣化が原因と判断。よく見るとタッチパネルを搭載していない機種でも、長年の使用でパネル内部が故障することはあり得ます。
液晶交換後はノイズが一切なくなり、くっきりきれいな映像へ復旧。数年使ったPCでディスプレイのみ換装すると、色合いも鮮明になって「新品同様」と驚く声をいただくこともあります。
まとめ
パソコンの画面にノイズが入る、あるいは色がおかしくなる症状は、液晶パネルの物理故障やケーブル断線が主な原因です。ドライバや設定不具合でなく、ハードウェアが劣化している場合は部品交換でしか解決しません。
自己診断として外部ディスプレイに接続してみて、そこで問題なく映るなら液晶交換で改善する可能性が高いと判断できます。
部品調達が難しい機種、タッチパネル対応機種などでは修理費や納期が変わりますが、多くのWindowsノートPCでは2〜3万円あたりで交換完了する事例が多いです。
MacBookや高解像度・タッチ対応モデルでは費用が上がるかもしれませんが、メーカー修理より専門業者のほうが安く・データを残したまま直せる可能性があります。
もし画面の色やノイズ不良が気になり始めたら早めに専門店へ相談し、在庫状況などを確認してから修理を検討してみてください。