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MacBook Pro 15インチ(2011年モデル)の表示不良で修理依頼をいただきました。
実はこの頃に発売されたMacBook Pro 15インチは、Appleのリコール対象機種の一つとして挙げられており、もし表示不良が起きてしまったとしても、必ずしも「液晶の故障」とは限らないケースがあります。
仮に画面交換をしても表示不良が改善しない場合は、ロジックボード(基板)側に原因があることが考えられ、そうなると修理費用は高額になるリスクが高いです。
今回はそういった状況をあらかじめお客様にご説明し、当店までMacBook Proを宅配便で送っていただきました。

MacBook Proが表示不良になる原因について
MacBook Proの表示トラブルは大きく分けると、「液晶そのものの故障」か、「ロジックボード故障」のいずれかであることが多いです。
その他に、液晶ケーブルの可能性がゼロではありませんが、Macの場合はケーブル故障の発生率は比較的低いと言われています。
1. 液晶自体の故障が原因の場合
MacBook Proの液晶に亀裂や衝撃痕がある、もしくは落下などの物理的トラブルがあった場合、表示不良を引き起こしている第一候補は液晶そのものの故障です。
ぶつけた記憶がないのに表示不良が出るといった場合でも、経年劣化や内部の微細な断線などで液晶がトラブルを起こすこともあります。
いずれにしても、ディスプレイパネル交換のみで解決するなら費用は比較的抑えられるケースが多いです。
2. ロジックボード故障が原因の場合
こちらは少々厄介なトラブルです。
MacBook Pro 2011年モデルの場合、GPUを搭載している機種がリコール対象になっており、特にディスクリートGPU周りの故障で画面が乱れる・映らなくなる例が報告されています。
もし外部ディスプレイを接続しても同様に表示不良が出る場合は、ロジックボード(基板)の不具合を疑う必要があります。
ロジックボード修理や交換となると、修理費用が大きく上がるため、事前の見積もり段階で慎重な判断が必要です。
3. 角度によって映る・映らない場合
ノートパソコン一般では液晶ケーブルの断線や接触不良が考えられます。
しかし、MacBook Proにおいて液晶ケーブルが原因になることは比較的まれで、過去の当店の修理事例でも、「角度を変えると映る」といったトラブルはほとんどが液晶パネル交換で改善されています。
MacBook Pro 15 (2011) 表示不良の修理実例
お客様より「画面の色味がおかしい、ロジックボードか液晶かどちらが悪いのか分からない」という相談を受け、当店まで現物を送って頂きました。
電源を入れて確認したところ、下記写真のように通常は灰色の背景が赤みを帯びた表示になっています。

この時点ではまだロジックボード故障の可能性も否定できず、外部モニターで検証したところ、モニター側は正常表示が確認できました。しかし、それでも基板の特定チップが故障しているケースもあり得るため、慎重に切り分けを行います。
調査には最低1時間以上かかることが多いですが、今回はまず液晶パネル交換をテストしてみることにしました。

結果的に液晶パネルのみを交換することで、赤みのあった画面が通常の色合いに戻りました。
つまり、今回の原因はディスプレイ自体の故障であり、ロジックボードは無事だったと言えます。
MacBook Pro A1286(2011年モデル)はディスプレイが2層構造
この世代のMacBook Pro 15インチ(A1286)は、「ガラス面+液晶パネル」という2層構造になっています。指先に触れるのは表面のガラス部分であり、その下に液晶パネルが隠れているわけです。
一般的なWindowsノートとは異なり、ガラスを先に外してからパネル交換に進むため、作業時間は1時間以上かかりやすいのが特徴と言えます。
Apple Storeや家電量販店では基本的に「ディスプレイ全交換(アセンブリ交換)」になるため、当店が行う「パネル単体交換」と比べて2~3倍の費用になることも珍しくありません。
今回は無事に表示不良が改善し、料金も2万円台で修理完了することができました。
Macの修理というと「高い」「パーツが手に入りにくい」といった声がありますが、今回のように本体基板には問題がなくディスプレイのみ交換で済めば、そこまで大きな出費にならないこともあるのです。
もしロジックボードに問題があった場合は、修理・交換費用は3万5千円以上がかかってしまい、予算やMacの年式を考慮すると買い替えを検討したほうがいいケースもあります。
また、ロジックボードを修理対応している店舗自体少ないため、交換しか提案されず結果的に高額見積もりに繋がる…というパターンも散見される点は注意が必要ですね。
2016年以降のMacBook Pro(Touch Bar搭載モデル含む)で表示不良が起こった場合は、今回のA1286とはまた異なるパーツ構成や金額帯になります。
そういった機種でも、当店では豊富な修理実績がありますので、高額見積もりや「修理不可」と言われてしまった際は一度ご相談いただければと思います。
まとめ
MacBook Proに限らず、画面に表示不良が出た場合はまず外部モニターへの出力テストをおすすめします。
HDMIケーブルなどでTVやディスプレイにつないで、そちらで正常表示されるなら「液晶またはケーブル側」の故障の可能性が高く、外部でも不調が出るなら「ロジックボード側」が怪しい…という切り分けができます。
2016年以降のMacBook ProではUSB-Cが採用されているため、そのままHDMI接続できないことも多く、別途アダプター(変換器)が必要ですのであらかじめ確認しておきましょう。








