iBook G3の液晶修理事例
今回は、2002~2003年前後に発売されたとされるiBook G3(M6497)の液晶修理の依頼をいただきました。
発売から15年以上経過しているAppleノートパソコンですが、いまだに修理ご依頼がある機種です。
メーカー(Apple)では既にサポート受付を終了しているため、正規サービスプロバイダでも修理を断られる場合が多いかと思います。
こういったレガシーなモデルでも、当社では可能な限り修理に対応していますので、同様にお困りの場合はご相談ください。
iBook G3の故障内容
【お問い合わせ内容】
液晶画面の表面に複数の斜め線が入り、シワのような模様が見え始めている。
バッテリーなどのほかの機能に大きな問題はないようだが、画面表示がしづらく使いにくい。こういった症状を直せないだろうか?
実際にお預かりしたiBook G3を確認すると、ディスプレイに斜め方向の線が複数見られ、一部が薄く歪んだように表示されていました。
バックライト自体は点灯しており、かろうじて起動しているMac OSの文字やアイコンは判別できます。
ただし経年劣化による変色やちらつきが起きる可能性もあり、早めに修理するに越したことはありません。
修理方法:液晶パネルの交換
iBook G3は、今となっては流通している新品部品がほぼ皆無に近く、中古パネルやパーツを確保しての修理が中心となります。
このモデルは当時主流だったCCFLバックライトの液晶を採用しており、新しいLEDバックライト仕様のパネルとは構造が異なります。
今回のケースでは、液晶自体に亀裂や大きな損傷は見られなかったものの、画面内部のディスプレイパネルが半分ダメな状態でした。
複数の斜め線が常時表示され、輝度は落ちていないものの非常に見づらい状態だったのです。
そこでまずは本体を分解し、液晶パネルを取り外します。iBook G3の分解は、バッテリーやメモリカバーを外し、本体カバーもかなりのネジを取り外す必要があります。
昔のAppleノートは丈夫に作られていた反面、分解工程は複雑な部類です。
パネルを外したら、新たに用意した中古液晶パネルに交換し、ケーブルやインバーターをチェックして問題なく映るかの検証を行います。
インバーターもこの時代のApple機種では劣化していることがありますので、必要に応じて確認するのが大切です。
上の画像は修理前の状態です。画面中央にかけて斜めの線が入っており、よく見るとかすかに波打ったような模様がいくつか走っています。
こういった症状は、液晶の内部層にダメージが入った場合や、CCFLバックライト周辺に歪みが起こっている場合に発生します。
修理後の状態
液晶パネル交換後のiBook G3がこちらです。交換パネルは中古ではありますが、輝度と色合いはしっかりしており、亀裂や斜め線といった症状はなくなりました。
もちろん当社では修理の際、ハードディスクやSSDに保存されているデータに触れることはありませんので、修理後もそのままの環境でiBookをお使いいただけます。
修理にかかった日数・費用など
- 修理日数:パーツの取り寄せを含めて、4日ほどかかりました。
- 修理費用:1万円台で対応可能でした。(液晶パネル・部品代、作業工賃などを含む)
- データ:修理中はデータ部分には一切触れず、そのまま残した状態です。
すでにメーカー(Apple)では修理受付が終了している機種ですが、当社のような民間修理店は長年のノウハウと独自のパーツ流通ルートを持っています。
「古い機種だから修理を断られた」「パーツがないと言われた」などあれば、まずは一度ご相談ください。
まとめ:iBook G3はまだ修理可能
iBook G3のように10年以上が経過した古いAppleノートでも、部品の確保ができれば修理は不可能ではありません。今回のように液晶パネルの中に斜め線が走っている、画面がうっすら波打つなどの症状でも、中古パネルに交換して快適に使用できる事例があります。
この機会にもう一度、懐かしのiBookをよみがえらせてみませんか?
少しでも予算を抑えて修理したい、Apple正規店や他店では修理不可能と言われた場合も、ぜひご相談ください。